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国語専門塾は国語教育(読書・作文・受験)を専門にした塾です。

TEL.03-6874-8830

〒103-0012 東京都中央区日本橋堀留町2丁目

導入事例・ケース紹介NEWS&FAQ

久留米大付属中学合格のケース

入塾時の状況

小学5年生。男子。入塾2010年9月。
久留米附設を希望。某大手塾に通っているが国語の成績が芳しくない。語彙力はそこそこある。偏差値は45程度。
読書は、小説をそこそこ読む。記述問題ができない。

課題

小説の問題はそこそこ取れるが、論説問題ができない。記述問題になるとお手上げの状態。

授業の方針
本来であれば、名著の精読を授業の中心に置いて、じっくりと育てるところだが、受験が1年3ヶ月後に迫っていたため、入試問題を中心に授業を進める。入試問題を説きできない原因を特定し、その原因に対して適当な教材を用いて苦手項目をつぶしていく。毎月塾でのテストがあるのでそのペースに合わせる。
論理的思考力の養成(本質的な力)と問題の解き方(テクニック)を同時に養成していく。

経過

まず最初入試問題を解いてもらったところ、言葉と言葉のつながり、文と文のつながりを意識せず、なんとなく根拠を持たず問題に答えていたことが発覚しました。入試問題は精読が必要となりますが、緻密な読みができていませんでした。
もともとおおらかな(おおざっぱな!)性格でしたので、それが問題の解き方に反映されていました。
この子ができていなかった原因は、語彙力が不足していたことよりも、論理的思考ができていなかったことによります。論理的思考とは「単語と単語、文と文、段落と段落」の有機的なつながりを意識しながら、構造的に読んでいくことです。つながりとは、「言い換え」「対」「因果」「並列」等のことを指します。
文章中にいかに多くのつながりがあるかを、入試問題を解くごとに詳しく解説していきます。そしてそれがどのように設問を解く際に役立つかを学んでいきました。

最初は、文中のどれとどれがイコールで結ばれるのか、どれとどれが対の関係になるのかということをなかなか見つけることができませんでした。

しかし、基礎テキストと入試問題を解くことにより、徐々にそのつながりが見えてくるようになりました。入塾3ヶ月ほどのことです。意識的につながりを探すようになってきました。そのつながりが見えてくると、問題をなんとなくではなく根拠を持って解くことができるようになってきました。「こことここがつながっているから答えはこうなる」「こことここは対の関係になっているからこの空欄には反対の内容が入る」ということを自分で説明できるようになってきたのです。

もちろん得点も向上してきました。入塾6ヶ月の時点で偏差値は55程度まで上昇していました。とはいえ、まだ久留米附設合格までにはせめて60の偏差値は欲しいところです。欲を言えば65は欲しい。

入試まで時間がなかったので工夫が必要でした。
入試問題にはパターンがあります。際限なく多種多様の内容の文章が出題されるわけではなく、説明・評論であれば環境問題、社会科学、自然科学、国際、言語といった分野が、また小説問題であれば、親子、兄弟、学校といった分野があります。

入試問題を解くごとに、その問題がどこのカテゴリーに該当するのかを明らかにし、ノートにその内容をストックしていきます。ノートにストックすることで「この問題はあのときにやったあれに似ているな」というパターン新式能力を強化するためです。これは高校生に小論文のトレーニングするときに使う方法ですが、これを実践しました。

この訓練を続けることにより、最後の模試では偏差値62。志望校に合格することができました。本当によくがんばりました。おめでとうございます。

小学3年生作文力向上のケース

入塾時の現状

小学3年生。男子。入塾2010年10月。
塾には通っておらず、受験もまだ考えていない。
塾の試験なども受けていない。
親御さんのご要望は「豊かな言葉の力をつけておきたい。自分で考えていける子になってほしい。」
野球チームに入ってがんばっている。
読書は特にしていない。

課題

読書の習慣がついていない。
これといって国語の勉強をしていない。
 → いかに国語力を向上させる習慣を身につけるかがポイント。

授業方針

授業においては芥川龍之介や夏目漱石といった少し難しい名著の精読を進める。文中の説明をリアルに感じ取れるようにする。(読む)
毎回朗読を行う。朗読は上の名著を用いる。時間を計りゲーム感覚で毎回記録する。慣れてきてスムーズに読めるようになってきたら読み仮名なしで読む。(読む・話す)
毎回読み聞かせをする。読み聞かせは自分で読書をするための導入として実施する。もし興味を持って導入部を聞くことができれば、宿題としてその残りを読んできてもらう。興味を持てなければまた別の分野にチャレンジする。これは読書を無理矢理させるためというより、「読書は楽しい」ということをわかってもらうため。「本に自然に手が伸びる」ことを目的とする。そのため、一緒に興味のもてる分野を探していく。(聞く・読む)
日記を書いてもらう。日記は365日のそれぞれに違うテーマが決まっている教材を用いる。たとえば「今日の友達について」「今日の机の引き出し」「今日の歌」など。テーマを与えることで、作文の視点を養い、マンネリ化しがちな日記に変化を与える。(書く)
また、4コママンガなどを言語化する訓練をする。楽しみながら作文能力を向上させていく。(書く)

以上に加え、言葉の力を増やすための宿題、漢字の力を向上させるための宿題を課す。

論理的思考力については、具体化・抽象化の訓練、対の言葉の訓練、因果関係作文の訓練を行う。教材や当塾独自プリントで毎回トレーニングする。文章問題のようなものは解かないこととし基礎能力を徹底的に上げることを目的とする。

経過


授業方針に従い、朗読、名文精読、楽しみのための読書、日記、作文を続けていきました。
変化が出始めたのは3ヶ月目頃です。3ヶ月ほど経過するとこれまで読んだことのない文章でも比較的スムーズに朗読できるようになってきました。また読書も徐々に読む量を増やすことができてきました。

読書はSFや冒険ものが好きでした。当初は読書はあまりできていませんでしたが、読書の面白さがわかるに従ってたくさん本を読むようになりました。読む分野が偏っていますが、それでいっこうに構いません。じきに飽きて次の分野に進むものです。本好きというのはそうやってできてくるものなのです。

日記については、最初から身近な話題は書くことができるのですが、ニュースや電話など比較的抽象的なテーマについては書くことができませんでした。しかし、これは2ヶ月頃から、あらかじめテーマを把握しておいてその視点から物事を観察する方法を学びました。そこからは比較的難しいテーマでもうまく書くことができるようになってきました。自分なりの視点を獲得できたということです。

4コママンガの作文でも大きな成長がみられました。最初はコマにある絵をそのまま説明し、セリフもそのまま抜き出していました。状況をうまく伝えるように「自分の言葉で」説明する訓練をしました。抽象化です。今登場人物が何をしようとしているのかを理解し説明するようになりました。ここまでできるのに4ヶ月かかりました。さらに、落ちの面白さを伝えるような表現を心がけていきました。当初はそのまんまの説明しかできていませんでしたが、5ヶ月頃から、自分なりに落ちの面白さをつたえるような努力をするようになってきました。

作文についてはさらに応用にむかいました。単純状況説明の作文、臨場感のある作文、因果関係の作文、対比の作文、言い換え・抽象化の作文、読書感想文、様々な作文をこなしていきました。入塾して1年になるころにはかなり立派な作品をつくれるようになってきました。次の文章はこの子に許可を得て掲載させてもらったものの一部です。
小学5年生の文章です。


野球の練習

「重心を落とせ!ボールをよく見ろ!」
父は声を荒げた。僕はめげそうになりながらもボールに集中する。汗がこめかみを伝った。それを袖でぬぐう。そして真正面を見すえた。

父はいつも目標を達成する厳しさと楽しさを語る。
「目標に向かってあきらめるな。どうすればそれが達成できるかを考えろ。そのために頭を使うんだ。」
何かあるごとに僕にそれを言う。口ぐせのようにそれを言う。

そんな父は僕の野球の練習につきあってくれる。普段は落ち着いた人だけど、バットを持つとまるで鬼のようだ。

カキン。バットがボールをはじく音がした。すると痛烈なゴロば僕の左側に飛んでくる。それをみて僕は必死にくらいつく。靴が砂をはじく感触がした。グローブをひろげボールの正面に回り込み、重心を落とす。ボールはグローブにばしっという音とともにおさまった。

こんなことを何回も何回も続けた。疲れたけどとても充実している。今日もがんばれた。もっと練習して強くなるんだと自分に約束して家路についた。帰ったらご飯が待っている。


こんな文章を書けるようになりました。臨場感がすごいですね。音や感触など五感をうまく表現しています。本人もとても作文が好きになったようです。作文が好きになるにしたがってものごとを深く観察するようになりました。

今では言われもしないのに単語の勉強をしています。難関中学受験で勉強するような教材を用いています。なぜなら言葉を増やしてもっとおもしろいものが書きたいという気持ちがあるからです。

子どもにはこういう興味があってそれに火がつくと。大人が勉強を強要しなくても勉強するようになるという好例でした。

この間入試問題を解かせたら、難なくといてしまいました。ここまで2年で到達することができました。


集中力が続かない小学4年生のケース

現状

小学4年生男子、中学受験は未定。勉強に身が入らないのでなんとかしてほしいと保護者様より依頼を受ける。読み書きの基礎をしっかり構築していきたい。
集中力が持たず、何をやっても雑。本を与えても読まない。ゲームばかりしている。

方針

1、読書・朗読・作文・書き取り等を通じて強制的に指導
2、読書を通じて、興味の源泉を探り当て、そこから興味の対象を広げていく
3、遊びながら文章を学習する。

詳細

Y君は元気な小学生の男の子です。とても元気すぎて授業に集中することができません。つい体を動かしてしまいます。じっとすることができません。保護者様もそこに苦労されておりました。そのような子にはいくつかのアプローチがあります。

一つが、強制的に読書・作文・書き取りなどをさせていく方法、もう一つが、その子が本当に興味を持てることを探してその分野から活字に親しんでいく方法です。

勉強の「勉」は「分娩:踏ん張って力み、新生児をうみだすこと」、「強」は「力を入れること」を表しています。漢字はうまくできているもので、「勉強」とは「つらいのを我慢して力を入れて生み出す」という意味があり、したがって、一般的な小学生男子にはきついものなのです。

しかし、勉強はしてもらわなければなりません。心を鬼にして読書・朗読・作文・書き取りを強制します。Y君にも、もちろんこれらをやってもらいました。読書、作文の宿題を課し、漢字や名文の書き取り、朗読、四コマ漫画作文などをやってもらいました。

ところが、Y君、すぐ飽きてしまいます。もともと勉強には単調な部分が多々ありますので仕方ないですが、Y君はなかなかの強者です。明らかにいやいやながら勉強を始めるのですから、効率もすこぶる悪いのです。意味があるのだろうかと悩みました。

「馬を水辺につれていっても馬が飲む気にならなければ飲みはしない」といった格言がありますが、まさにそんな状態です。保護者様も苦労されているところではないでしょうか。よい本を買い与えたり、質の高いと言われている授業を受けさせたのに、見向きもしない。よくあることです。

ここで説教をして表面的にだけ勉強をさせたところで、気が乗る乗らないは心がけで変えようのないことですから、裏目に出る可能性があります。かつて私もそのような失敗を数多く繰り返してきました。最後にはもう塾に行くのがやだ、勉強するのがやだ、勉強とは苦痛だということを潜在意識に刷り込むことになりかねません。

だいたいこのような場合、私は取引をします。

授業の半分を子どもの好きなことを研究する時間に当てるのです。釣りが好きな子には釣りの本を、サッカーが好きな子にはサッカーの本を、虫が好きな子には虫の本を、囲碁が好きな子には囲碁の本を、手芸が好きな子には手芸の本を、ファッションが好きな子にはファッションの本を、その本人が今一番入れ込んでいる分野の本を、一緒に探します(ここがポイントです)。Y君の場合はサッカーが好きだったのでサッカーの本を探しました。

サッカーの本には、「サッカーキッズ物語」「サッカーボーイズシリーズ」「中田語録」「デイヴィッドベッカム・アカデミー」「サッカー上達法」「スポーツメンタルトレーニング」など多々あります。実用書もあればフィクションもあり、小学生用のものもあれば、中には小学生が読むにはハードルが高いものもあります。

しかし、本人が望む分野であれば、どんなに難しい本でも意欲を持って取り組めるものです。Y君と様々な本を買いました。サッカー上達法、デヴィッド・ベッカムファクトリー、中田語録、などなど。Y君は興味のある本を選ぶときは目を輝かせます。身を乗り出してくるのです。そして、この本をコピーしてテキストにします。宿題として読んできてもらうこともありました。授業の半分は、強制的な朗読・作文などですが、読解だけは本人の希望に添わせました。そして、実はこの方法こそがもっとも効率がよいのです。

読み進めるということは能動的・積極的な行為ですから、相当のエネルギーを必要とします。そしてそのエネルギーは内から湧きあがってくるものです。自分で、まして他人がコントロールできる性質のものではないのです。

Y君の読書は学校の教育課程とは全く違いますし、名作とはいえない俗な内容かもしれませんが、本人が強く興味を持っている内容を読むことは、たくさんの活字に接することができ、確実に読解力・語彙力を向上させます。

Y君は、サッカーの本を読み進めることで、非常に多くの生きた国語を学びました。国語はあくまで手段であって目的はあらゆる知識や知恵にアクセスできるようにすることです。Y君はそれができるようになりました。もちろん国語力は向上しています。6年生の漢字もいくつか覚えています。ふつうに勉強させたら絶対覚えません。

Y君は、今でも楽しみに国語専門塾に通ってくれています。作文や書き取りはいやがりますが、それでも自分の興味が持てる文を読めるので楽しみにしてくれているのです。楽しくなくては続きませんからね。作文や書き取りもゲーム仕立てにして楽しめるように工夫しています。

もちろん国語が好きになって得点も高くなりました。「文を落ちついて丁寧に読む」という課題はあるものの、成長が楽しみです。


慶應義塾大学医学部合格の事例

現状

既卒生男子、医学部志望。小論文・面接対策を希望。医療系小論文がうまく書けない。基礎知識などはそこそこあるが、思想・哲学を深く理解しているわけではないので、どうしても薄っぺらい論文になってしまう。自分で考えているというよりは知識のつぎはぎのようなものになってしまっている。

対策

@医療系小論文の基礎知識を充実させる。
A医療に通底する思想や哲学・ストーリーについて学ぶ。
B小論文の構成(型)を出題パターンに分けて学ぶ。
C入試問題を解き、応用力をつける。
D面接対策に、問答、ディスカッションを日常的に行う。

詳細

このN君は、まじめでやる気もありましたが、どうしても納得がいく小論文が書けないでいました。

小論文はそもそも知識偏重教育の反省として出てきた科目です。したがって従来の読解力に加えて、論理的思考力や文章構成力、普段からの関心・教養の広さが問われることになります。N君は、勉強慣れはしていたものの、知識の詰め込みに偏っていました。正式なアウトプットの訓練はなされていませんでした。それゆえ小論文が、観念的に過ぎてしまい、しかも表面的な内容になっていました。

小論文についても、様々な医療用語(インフォームド・コンセント、QOL、パターナリズム、再生医療、高齢者介護、ターミナルケア、地域医療など)には詳しいのです。しかし、なぜそのような用語が生まれてきたのか、その背景に流れている思想は何なのか、近代科学とは何でそれがどのように現代の問題につながっているのか、自分はどの立場に立ってどんな貢献をしうるのかといった哲学が不在でした。

そのため解答は、どうしてもつぎはぎで一貫性がなく、抽象的・観念的なものになってしまっていました。また、受験科目以外の関心が薄く、社会に広く目を向けていないという点も問題でした。小論文は思考力を問いますので、医療系小論文とは限定されがちですが、国際や教育、社会問題、働く意味など様々なテーマについて考察しなければなりません。さらに慶応の場合自己分析や志といったものも求められます。とてもじゃないですが表面的な受け売り文をつぎはぎしたり、あらかじめ用意しておいた回答を暗記して話したぐらいで合格は望めません。

慶応医学部クラスになると思考の深さを徹底的に問われます。発している言葉が自分の言葉かどうかを問われます。その言葉が深いかどうかを問われるのです。

N君は受験勉強に打ち込んでいましたので、新聞を読むなどして考察を深めることはありませんでした。もちろん多くの受験生に共通したことではあります。

このような状況に対し、まず、医療系小論文の基礎知識の背景にある思想について学びました。例えば、「自由主義と医療技術の発展により『生命の尊厳』だけでは解決のしがたい問題が登場してきた→『生命の質』という概念の登場→その人にとって価値ある生き方をするためにはその本人主体の意志決定が必要。→意志決定のためには正しい情報が必要。→『インフォームド・コンセント』という概念の登場」という流れがあることを理解してもらい、重要な単語がどのような文脈の中で位置づけられるのかを把握しました。(医療訴訟事情から導くパターンなどもあります)

このようにあらゆる医療用語は単独で存在しているのではなく、ある文脈の中でいきいきと存在しています。その用語の背景にあるストーリーを理解することで、どのような設問にも、思想・哲学をさかのぼって深い議論ができるようになります。

このように各医療用語を、思想・哲学とストーリーの中で理解し、それぞれを有機的につなげてもらいました。授業においては各回で用語を深く解説していきます。もちろん、自分の頭で考えてもらう時間をとりながらです。対話を重視し思考を促進させます。こうしてバラバラだった断片的な知識は有機的につながっていきました。

さらに、医療系の本を時間が許す限り読んでいきます。バイオエシックス、社会学、心理学、精神分析学など幅広く読みます。トータルで10冊を熟読しました。決して多い数ではありませんが、これらの本を精読することで型を学ぶのです。受験用小論文対策の本を読むのは誰でもやることです。しかし、それらはうまくまとめられてはいますが、深い部分まで言及できていません。網羅性はあるものの思考の掘り下げがなされていないのです。

こうして、難関大学の教養課程で学習するような内容を自分のものにしていきます(特別なレジュメを使います)。

以上の学習と同時に、小論文の型についても学習しました。小論文には一定の出題パターンがあるので、それに対してどのような型で解答すればよいのかを学んでいきます。N君は複数の大学を受験しますので、複数のパターンに対応する必要がありました。@テーマ型、A課題文型、B資料型の3つです。

それぞれにつき徹底的に型を学びます。そもそも論証とは何かから始まって、文の正しい書き方、理由説明、具体例、経験、対・比較、引用、反論・再反論、資料の読み取り型、仮説の構築、要約の仕方など、論文の技術や決まり事を学びました。

12ヶ月を経過した時点でN君は、医療用語の背景にある哲学と論文の型を自分のものにすることができました。以降はこれまで学んだことを実践で研いて応用力をつけていきました。実際の入試問題などを解き、議論を進めていくことによってこれまでの知識をより生きたものにしていきます。

議論を進めていって感心したのは、N君がある論題をめぐってクリエイティブな思考を始めるようになってきたということです。あえて、無難な論(一般的に正しいとされている論)を覆し、より深い論に発展させていくという手法です。現代文における評論では一般論を否定し持論を展開するというのは常套手段ですが、厳しい立証責任を要求されます。

たとえば、N君は「出生前診断の是非」の問題提起について以下のように論じます。(N君の文をそのまま抜粋)

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「出生前診断の是非を論じる前提として、その肯定派と否定派の背景には大きな価値観の対立がある。すなわち、肯定派には「個人の幸福の追求」およびそれを背後から補強する「自由主義」が、否定派には「全体としての倫理の追求」およびそれを背後から補強する「共同体主義」が、控えている。一見、それぞれの立場の利益の追求に見えるが、実は「個人の自由」と「共同体の倫理」のいわば代理戦争の構造をなしているのである。こう捉えると「出生前診断は個人の幸福追求という権利の行使であるから問題ないではないか」という主張は、共同体の倫理「生命は人為が侵すべからざる神秘であり、その神秘を無為の自然に享受しその結果を受け止める」を真摯に実践している人々の過去現在未来の努力を、間接的に無価値なものにする可能性がある。そう捉えると「幸福の追求」が全体の迷惑になっている側面も否めず、するとこの問題は迷惑の範囲をどのように定義するかということにつながってくる。よって人が人にかける迷惑の範囲が問題となる。
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この問題提起は、肯定派と否定派の思想の深層に潜む対立構造を明らかにし、一般的に言われている「自由主義における幸福の追求」に疑問を投げかけています。これは人に迷惑をかけなければ何をしてもよいという発想から抜け出し、幸福の追求が実は眼に見えない部分で取り返しのつかない影響を与えうるのではないか、という精神性の高い論に仕上がっています。まるでギリシャの哲学者のようです。言いすぎでしょうか。

しかし、このように本当の意味で自分で考えることを楽しめるようになったときに、小論文を得意教科とすることができました。どこからどう質問がきてもある程度以上のことは答えられるという自信がついてきたのです。

また、一度読んだり解いたりしたものは、次にも使えるように、ノートにストックしていきました。これは料理にたとえるとある程度下ごしらえした素材みたいなものです。料理番組でよくある「こちらに先ほどつくっておいたものがあります」と用意していたものを取り出す要領です。こうすることで本番で似たような問題が出たときに、即座に対応できるように工夫しました。

このような努力の結果、N君は志望校に合格することができたのです。もちろん小論文だけの手柄では決してなくN君の総合的な努力の結果です。小論文の考え方は医学部に入ってもきっと役に立ちます。人の幸せについて深く考えることのできる精神性の高い素敵な医師になってください。

なお、面接対策について次回の事例で紹介いたします。

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国語の授業内容の一部公開

授業内容の一部を公開いたします。新たに入塾を検討されている方、国語専門塾に通われている方は参考にしていただければ幸いです。


国語問題の設問別解法(目次)
1、指示語の解釈(初級)
2、指示語の解釈(上級)
3、接続語の補充(1)
4、文の要約(1)
5、心情把握問題を解く
6、空所補充


論理的思考力の養成
1、言い換え
2、
3、因果関係
4、並列
5、論旨の把握
6、文と段落の役割


小論文を極める(目次)

1、小論文の基本
2、小論文の思考の深め方1(深い部分での対立を意識する)
3、小論文の思考の深め方2(良質な問いを発する)
4、小論文の思考の深め方3(時間と空間を広げる)
5、テーマ型小論文の対応
6、課題文型小論文の対応
7、要約の仕方(1)課題文型小論文
8、要約の仕方(2)課題文型小論文 主張の把握
9、要約の仕方(3)課題文型小論文

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(電話がつながらない場合は折り返しご連絡いたします)


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